炭火焙煎珈琲工房 南蛮屋

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平井 誠一郎

社長の平井誠一郎です。
1971年にコーヒー業界に入り、南蛮屋を起こして30数年、この業界では古株となりました。色々なことに流行がありますが、今のコーヒーのあり方は40年程前のコーヒー専門店時代を思い起こさせます。ただ昔と大きく変わったことは、優れた少量生産のコーヒー生豆が容易に入手できるようになったこと。そして昔から変わらないことは、より良いコーヒーを追求し続けていることです。
お客様にもスタッフにも「小さな贅沢を売る店」が より実感できますよう経験を活かして、今少し頑張ってまいります。



2011年04月05日

被災地に『ほっとコーヒー』で応援

東北地方の大震災は現代人の想像をはるかに超える人命や行方不明者を出しました。
命からがら難を逃れた多くの人達は、全てを失い不自由な避難所暮しをしています。
同じ日本人として、お隣の地方人として、なにか役に立てるコトはないかと考えた末、
「淹れたての熱々のうまいコーヒーを飲んでもらおう」
これが自分のできる一番喜ばれるコトと決め、単独行動の準備を始めたのは、物流の止まった秋田4店への配達を終えて間もない3月23日でした。
日々報道される被災地情報や道路情報を基に、何時・何処への模索中、
27日の神奈川新聞の記事で、すでに現地に支援物資を届け、次のカレー炊き出し計画のある
海を愛する者たちの支援隊『SWP支援隊の辻堂在住の伊藤さんに即コンタクト。
30近い歳の差はあれ同じ志を持つ者同士、30分ほどの話し合いで役割分担などを取り決め、
『ほっとコーヒー』計画の最終準備に入る。

SWP支援隊の積みきれない程の支援物資と水500リットル、必要機材一式を2トン車に積み込み、3/31(木)深夜、宮城に向けいざ出陣。
急遽、前日に南蛮屋秋田店4店舗のオーナー青井さんより協力したいとの心強い連絡をいただき現地近くで合流(ありがたいの一言です)。

4/1(金)15時ごろ、東松島の避難所(体育館に150人位)に到着。
東北道を下り連絡道からの景色は海に近づくにつれ津波の恐るべき被害が目に飛び込む。

東松島の避難所に到着


館内にはお年寄りや小さな子供しかおらず管理関係者に聞くと、皆日中は弁当をもらい後片付け等に出て夕方5時ごろ戻ってくるとのこと。
早々、SWP支援隊のカレー仕込みと共に、ネルドリップでコーヒーの抽出に取り掛かる。
自分ではあまり感じないがあちらこちらから「あー、いい香り」と聞こえる。

ネルドリップでコーヒーの抽出


夜、自衛隊の炊き出し部隊と共に少々遅れ気味のカレーの配布も順調に進み、食後の二杯目のコーヒーも一段落。
「カレーと共にコーヒーありがとう」の声も多く一安心。
来てよかったという実感と共に、皆さんと同じ夕食をご馳走になる。

カレーとコーヒーの炊き出し


その晩は避難所管理者の伊藤さんのご好意により、水没を逃れた自宅2階の部屋をお借りしてゆっくり休めました。時々起こる余震や地鳴り(隣りで寝ている青井さんのイビキでした…笑)で目を覚ますこともありましたが。

翌朝4/2(土)は6時半起床、7時から避難所にてモーニングコーヒーを提供。
皆さんが作業に出かけると共に東松島を後にしました。
(ここでは約250杯のコーヒーを飲んでいただきました)

カレー部隊の都合もあり2時間ほど時間が空いたため、青井さんと共に近隣の被害状況を確認しに行く。海に近づくと共に想像を絶する光景が広がる。

津波被害
津波被害
津波被害


次の目的地、女川の第一保育所という約200人の避難所に15時を目安に向かった。
途中、幹線道路の信号はもぎ取られ、路上の障害物こそ撤去されているが、むごい津波の爪あとが嫌でも目に飛び込む。
渋滞もあちこちで発生しており到着の遅れが心配されたが、なんとか日がある内に無事到着。

女川の第一保育所に無事到着


ここは電気はやっと復旧したが水道はまだ。
素早くコーヒーの抽出とサービステーブルのセットを整え、持ってきた神奈川県の飲料水を仮設タンクに移す。

神奈川県の飲料水を仮設タンクに移す


コーヒーの提供を青井さんに託し、車で30分ほどの女川災害対策本部に、SWP支援隊が集めた大切な支援物資を届ける。
ここはかなりの高台(50m位)に在るようだがライトの明かりのなか、すぐそこまで津波が押し寄せたあとが見える。

SWP支援隊のカレー配布も終え、応援に駆けつけてくれた青井さんともここで解散。
私は明朝のモーニングコーヒーを飲んでもらいたかったためここで一泊。
近くの公園駐車場に止めた2トン車の荷室は物資を降ろしカラの状態で、当初の想定どおりにツーリング用のテントを張りワンカップとジッポーのカイロで暖をとり、用意した寝袋と毛布に包まり眠りにつく。(保育所の先生に「寒いから部屋を使ってください」としきりに勧められたが断ったことを少々後悔。東北の夜は極寒。)

4/3(日)6時半起床。モーニングコーヒーの準備も整い朝食をいただく。
同席した若い男性保育士に園児のことを聞くと、大地震時は園児は皆ここに居て無事だったが、
迎えに来て帰宅した多くが親と共に津波にのまれてしまった・・・何ともやるせない思い。
ここに居る子供から高齢者までが気丈に振る舞っている姿を見るとこみ上げるものがある。

9時も過ぎ、コーヒーも行き渡ったようで撤収を始める。
(ここでも約250杯のコーヒーを味わってもらえました)
帰り際、調理担当の皆さんから「記念写真を撮りましょう」と言われ、戸惑いと共に東北人の厚い気遣いや人情を実感。

女川の第一保育所の方々との記念写真


帰路、津波被害の凄さを撮影しました。

津波被害の凄さ
津波被害の凄さ
津波被害の凄さ


予定の任務も終え微力ながらコーヒーで役に立てたことも嬉しいが、私より一回りも二回りも若いサーフィンを愛する人達が人助けに真剣に取り組む姿は何よりも良かったよ。


いま被災地(被災者)が一番必要なのは、お金(現金)だと感じました。

南蛮屋では全店で義援金ボトルを設置しています。
>南蛮屋 店舗情報

そして、4/8(金)〜12(火)まで南蛮屋ガーデンで災害チャリティーバザールを開催しますので皆様のご協力をお願い致します。

南蛮屋


 
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