炭火焙煎珈琲工房 南蛮屋

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平井 さとみ

ウェブサイトの構築、デザインを担当している平井さとみです。
主に南蛮屋のホームページやネットショップなどのページを作成しています。またギフトカタログなどの冊子やドリップパック等の一部のパッケージデザインも担当しております。
視覚的な面からも南蛮屋の魅力をお伝えできるよう頑張ってまいります。どうぞ宜しくお願い致します。



2010年11月29日

酉の市

「酉の市(とりのいち)」ってご存知でしょうか?
酉の市とは、11月の酉の日に、浅草の酉の寺(鷲在山長國寺)や各地の鷲神社、大鳥神社で行われる、開運招福・商売繁盛を願うお祭りで、江戸時代から続く代表的な年中行事。
そして酉の市での代表的な名物が「縁起熊手」です。
金銀財宝を詰め込んだ熊手で、運を「かっ込む」、福を「はき込む」といって開運招福・商売繁盛を願った、江戸っ子らしい洒落の利いた縁起物。
(参考:浅草酉の市 由来と歴史

その酉の市に今年初めて行ってきました。
酉の市起源発祥の、浅草 鷲神社へ。

浅草 鷲神社 酉の市

とにかくものすごい人手です。食べ物を売る屋台も多く、懐かしい良い匂いがしてきます。
そして熊手を売る露天がズラリ!360度見渡す限り熊手です。
私も小さい熊手を買って行こうと思っていたので物色するも、あまりの量に目移りしっぱなし。
場内を人に揉まれるようにしながら30分程度進んだ頃でしょうか、
他とはあきらかに何かが違う、老舗の雰囲気が漂うお店の前で立ち止まりました。
着物に奇麗な鶯色の羽織を着た女将さんを中心に男衆が威勢良く働いている。
なんだか皆すごく良い顔をしている。すぐにここは良いお店だと分かりました。
売約済として大きな熊手の下に掲げられた名前も錚々たる顔ぶれ。
歌舞伎役者さんや落語家さん達の名前が並んでいました。
売っている熊手は、紙に手書きで七福神を描いたもので、他では見なかったもの。
その七福神さん達の表情もすごく良い。
心の中で「ここで間違いない!」と叫んだのでした。

初めてなので小ぶりなものを選んで商談成立。
その後は熊手屋さんと周りに居た皆さんと一緒に、威勢良いかけ声で手締め!
あれは本当に気持ち良い!1年間頑張って行く気力まで頂いた気がします。

これが私が手にした「よし田」さんの宝船熊手。
上下に金箔がふわりと輝く。七福神はなんとも良い表情。

浅草「よし田」さんの熊手

後になって調べた所、熊手にはいくつかの種類があるけれど、江戸時代から受け継がれてきた手法で、熊手全体を宝船に見立てた赤物と呼ばれているものを作っているのは、今ではこの浅草「よし田」のみなのだそうです。
プラスチックなどを使った熊手も多く見られる中、「よし田」では人工素材を一切使わず、素材は昔ながらの紙と竹だけ。下絵の型抜きから彩色、面相(顔描き)などすべて職人による手仕事。この赤物は手がかかるので皆作らなくなってしまったのだとか。

日本には変わるべき事もあるけれど、変わらずに残して行くべき素晴らしい事も多いと思う。
日本の粋は受け継がれるべきだ。
来年もまた「よし田」さんに行こう。
今度は一回り大きいものにしたいな。
そして、粋な買い方(値段を交渉して負けてもらい、その値切った分をご祝儀としてお店においてくる)が出来るようになる事が目標です(笑)

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