炭火焙煎珈琲工房 南蛮屋

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村松 靖己

コーヒー生産管理部の村松です。
コーヒー豆の焙煎、生豆及び焙煎豆の品質管理、その他コーヒー商品全般の商品管理を担当をしております。
南蛮屋がお届けするコーヒーが皆様の生活の一部となり、ホッと幸せを感じるその瞬間の傍らにそっと居てくれていたら、こんなにも嬉しく、こんなにも贅沢な瞬間はありません。誇りと責任をもちまして、これからも皆様に幸せを提供させて頂く事を約束致します。



2007年08月16日

奥深きかな、珈琲道・・・ 再び。

とある休日・・・。

静岡にある私の実家へ家族で里帰りをしたときのこと。

手土産の珈琲を飲みたいということで、私が淹れることに・・・。
早速両親の長年愛用しているコーヒーミルを使って豆を挽いてみた。

静岡にあるコーヒーミルというのは私が小学生の頃から使用している代物で、
かれこれ20年以上は経とうかという非常に年代物の安価な臼式のミルである。
小学生の頃このミルを使ってよく両親に珈琲を淹れていた。
まさに、私の珈琲道の原点である。

久しぶりに触れたそのミルは、さすがにそれ相当のネンキが入っていた。
挽き目調整なんぞまったくしている節もなく、挽いてみれば極粗引き状態。
ハンドルも少々ガタついている。
「これは相当ひどいなぁ・・・」
ほっとけるはずもなくミルを勝手に調整してしまった私は、
誰が決めのか”基本”といわれているバランスで珈琲を抽出してみた。

「・・・あれっ。」
まさに私のパーフェクトに抽出された珈琲を飲んだ両親の表情が浮かない・・・。

よくよく聞いてみると、「濃すぎる」のだという。

両親にしてみれば、調整されていないあのコーヒーミルで粗く挽いた珈琲豆で、
そしていつもの計量スプーンで計ったそのバランスが『美味い』濃度なのだ。
私には明らかに適正ではないそのバランスも、二人にしてみれば最高のバランスなのだという。

ん〜、いかん・・・。
人間って、知識が豊富になるとその知識を常識、当たり前と常に捉え、
またそれを強引に他人へ押し付けてしまうことをしてしまう。

『美味い』に決まりはない。
10人いれば10通りの『美味い』があるはずである。
自分の『美味い』は、全員が『美味い』とは限らない。

奥が深いなぁ・・・。
この永遠のテーマは、簡単に答えなんか見つからないからきっと面白いのだろう。
いかんいかん、ちょと自惚れてました。
・・・初心忘るべからず。
両親よ、ありがとう。勉強になりました。


ちなみに・・・、
コーヒーミルは適度に粗くしておきました。
いつまでも大切にしてあげて下さい。

南蛮屋


 
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