コーヒー生産管理部の村松です。
コーヒー豆の焙煎、生豆及び焙煎豆の品質管理、その他コーヒー商品全般の商品管理を担当をしております。
南蛮屋がお届けするコーヒーが皆様の生活の一部となり、ホッと幸せを感じるその瞬間の傍らにそっと居てくれていたら、こんなにも嬉しく、こんなにも贅沢な瞬間はありません。誇りと責任をもちまして、これからも皆様に幸せを提供させて頂く事を約束致します。
2007年04月25日
奥深きかな、珈琲道・・・
とある日曜日・・・。
突然、長男が私に珈琲を淹れてくれるとのこと。
淹れ方なんぞ教えたこともないのだが、そういえばよく隣で私の淹れているところを見ていたような・・・。
できるのかい?という問いに対し大丈夫との返事。
よし、では頼もうではないか。
息子よ、是非この”プロ”の私をうならせてみろ。
「いいか、手回しのミルはゆっくりと廻すんだぞ。摩擦熱で香りが飛んじまうんだ。」
「おいおい、熱湯そのままってどうゆうことだ!?。抽出は”湯温のコントロール”が命なんだ。」
「よく見ろ。蒸らしのタイミングは粉が教えてくれるんだ。感じろ。そして掴め!」
「ポットは体の一部にしろ。あれは右手の一部なんだ。」
「中心から一定のリズムで円を描くんだ、円を!」
「壁を崩すなって・・・」
「いいか、ドリッパーはお湯が落ちきる前に外すんだぞ。雑味がでちまう。」
・・・てなウンチク、鬼の形相で叫びたい欲望を必死におさえつつ静かに待つこと10分。
ん〜、美味い!
なんだ、この珈琲は・・・。
基本すらできていない息子の淹れた珈琲は、まさに私の想像を遥かに越えた超越の香味。
産地? ロースト? スペシャルティー?
そんなもの全てを吹き飛ばす、まさに気持ちだけで淹れた究極の素人珈琲。
そういえば・・・、
昔、幼かった私が滅茶苦茶に淹れた珈琲を両親は美味い、美味いと喜んで飲んでくれたものだ。
喜んで飲んでくれる二人の笑顔見たさに、何回も挑戦したなぁ。
今考えると、あの時の両親の「美味い」が、私の珈琲道の入り口だったのかもしれない・・・。
『美味い』とは、やはり気持ちから生まれるものである。
・・・初心忘るべからず。
ありがとう、息子よ。勉強になったよ。