炭火焙煎珈琲工房 南蛮屋

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村松 靖己

コーヒー生産管理部の村松です。
コーヒー豆の焙煎、生豆及び焙煎豆の品質管理、その他コーヒー商品全般の商品管理を担当をしております。
南蛮屋がお届けするコーヒーが皆様の生活の一部となり、ホッと幸せを感じるその瞬間の傍らにそっと居てくれていたら、こんなにも嬉しく、こんなにも贅沢な瞬間はありません。誇りと責任をもちまして、これからも皆様に幸せを提供させて頂く事を約束致します。



2016年11月07日

インドネシア コーヒー豆 産地訪問 2016【1】

インドネシア コーヒー豆 産地訪問 2016

2016.10.16〜10.21
インドネシア視察

アジアの誇る世界的コーヒー産地、インドネシア共和国。
「マンデリン」という素晴らしい香味をもつコーヒーの生産地として名高いこのインドネシアの生産現場を見るため、私以下2名のスタッフ同行のもと4泊6日という強行スケジュールの中、全身全霊でその息吹を感じて参りました。

目的はふたつ。
まずは南蛮屋の中で一番人気を誇る「リントン マンデリン」の生産現場と現状把握、そして来季クロップの状況確認。
もう一つが、インドネシア国内で最新鋭を突っ走る世界レベルの農園「ワハナ農園」の視察と新しい香味との出逢い・・・。

インドネシアの温かく情熱溢れる人々との出逢いや交流、そして大きな未来を感じる新たな香味との出逢いを、ここにご報告させて頂きます。


「マンデリン」の定義

インドネシア共和国スマトラ島北スマトラ州及びアチェ州(タケンゴン地区を除く)で取れるアラビカコーヒーを言う。
(全日本コーヒー公正取引協議会 規約・規則の運用方針より)


 
「マンデリン」の歴史

●1699年オランダ植民地政策によりいくつかの州にわたってアラビカ生産が導入される。

●北スマトラ州において、オランダ政府は南タパヌリ県より生産開始。

●続いて、トバ湖周辺部の北タパヌリ県リントン・ニ・フタ、ダイリ県スンブル/シディカランにプランテーションが拡大される。

●ナングル・ダルサラム・アチェ州(現アチェ州)のラウトタワール湖周辺のガヨ高原(中央アチェ県)でも同種のアラビカコーヒーの生産が開始された。

●1968年日系商社社員がそのカップに強い印象を受けるそれは、まさに第二次世界大戦中にシボルガで味わったコーヒーの風味のようである、と表現された。

●1969年“アラビカ・マンデリン※”の名がメダンのある輸出業者によって名づけられ、日本に輸出される。
(※マンデリンMandhelingの名称は地域部族バタックの一種族Mandailing名から)

●それは南タパヌリ県よりプランテーション生産が開始されたことに由来する。

●日本市場において、また世界でも最上のプレミアムコーヒーのひとつとしてプロモーションが進む。

●その後も世界のコーヒー市場において重要な位置づけとして成長を遂げる。
(AEKI北スマトラ事務所1998年発行の広報誌より)


 
インドネシアの収穫期と雨季

インドネシアの収穫期と雨季


 
スマトラ式精製方法

スマトラ式精製方法

収穫期が雨季と重なるインドネシアでは、湿度が非常に高くチェリーが腐りやすい事から「スマトラ式」と呼ばれる独特の精製方法を用いて精製される。


【リントン地区の小農家】北スマトラ州リントン地区

【リントン地区の小農家】北スマトラ州リントン地区

「マンデリン」を産み出す北スマトラ島の主な産地は、リントン・ニフタ地区とアチェ地区のふたつ。アチェ地区が主に7割を占めるが、より香味の個性が強いのがリントン・ニフタ地区。南蛮屋で販売している「リントン マンデリン」は、このリントン・ニフタ地区の小農家が栽培するコーヒーのみを指定し、輸出業者「サリマクムール社」によって精製され、弊社オリジナルの「マンデリン」となる。
小農家(庭の軒先での栽培から、1ha以上の敷地で栽培される大きな農家までそのスタイルは様々)は、収穫したコーヒーチェリーをその日のうち(湿度のよる実の腐敗を防ぐため)にパルパーと呼ばれる手動の機械で実を剥ぎとり、一夜ほど置いた後ミューシレージ(ぬめり)を洗い流す。そしてミューシレージを除去したパーチメントの状態で集荷業者へと持ち込み、換金され収入を得る。

【リントン地区の小農家】北スマトラ州リントン地区

この日は、2軒の小農家に訪問。インドネシアで暮らす小農家の人々の生活を垣間見る事が出来た事は素晴らしく、また温かな歓迎からはインドネシア人の持つ“もてなしの心”や優しさ、愛情を強く感じた。
彼らの暮らしは、決して裕福とは言えない。それでも日々明るく暮らす彼らの創り出したコーヒーを、我々は適正な価格で購入し、適正な価格で販売する。そして適正な利益を得て、それらを彼らに還元する事で全体が調和していく。それが我々に課せられた使命であり、責務であると切に思う。

訪問先生産者:Mr.Csianturi

クシアントゥリさん一家

クシアントゥリさん一家。親子三代に渡る小農家。

住居の裏手に広がるコーヒー畑。栽培面積は約0.5haと言ったところ。
親子3代に渡り野菜、コーヒーを栽培し生活している。
訪問時の10月は、雨季。この日も敷地内を歩いている時にスコールに襲われた。
しかし、すぐに止んでしまう。
今年、雨季に入るも曇りがちではあるが降雨に至らない日が続いていることから、全体的に雨量不足気味。それにより生育不良、落果、高温、異形、虫食い等、不安材料が懸念されるが、総合判断するには時期的にやや早々か。
クシアントゥリさんの木にも、その傾向が見て取れる。開花している花、青い未成熟の実、そして完熟の実、過完熟の実が一つの枝で見られるのは、だらだらと雨が降ったり降らなかったりする降雨ムラが原因で起こる現象。
ここ数週間での気候により、状況的にはやや不安的要素が起こりつつあるとの話をしてくれた。


クシアントゥリさんの家

クシアントゥリさんの家。この裏庭に、コーヒーが植えられている。


家の裏手に廻るとそこは一面コーヒー畑

家の裏手に廻ると、そこは一面コーヒー畑となる。


クシアントゥリさん

クシアントゥリさんが、今年の生育状況を語ってくれた。


コーヒーの花

花の開花、未成熟、完熟、過熟と段階を踏んだコーヒーが並んでいる。


記念撮影

別れ際に記念撮影。表情が硬い・・・。


一瞬のスコールに襲われ、雨宿り

一瞬のスコールに襲われ、雨宿り。しかしすぐに止んでしまった。
訪問先生産者:Mrs.Lasuma


キティちゃんが似合うとても笑顔がチャーミングなラスーマさん

ラスーマさん。キティちゃんが似合うとても笑顔がチャーミングな可愛らしいお母さん。しかし畑を歩く足は裸足、手も真っ黒にして頑張っていた。


コーヒーの木々の間に野菜が植えられている

コーヒーの木々の間に野菜が植えられている。

山の中に広がる、約1.5haの畑(野菜を含む)。
コーヒーの木が立ち並ぶ横に、様々な野菜も栽培している。コーヒーの収穫は年間通してではない為、生活していくうえで野菜等の栽培は必要とのこと。
シェードツリーの木も植えられていたが、バナナの木であった。
ラスーマさんの木も、生育状況は好天とは言えないらしい。クシアントゥリさんの木と同じく実のつき方には非常にバラつきがあった。
ラスーマさんによれば、コーヒーの収穫は2週間に一度。一回の収穫で10L缶が10缶。10L缶一杯でチェリー約12kgらしい。
チェリー約120kgとなれば、そこから精製され目減りを踏まえると一回の収穫で生豆1袋(60kg麻袋)と言ったところか。


完熟のコーヒーの実

完熟のコーヒーの実。


コーヒーの実を剥いでみる

コーヒーの実を剥いでみる。


コーヒーの実の中身

実の中には、二粒向き合って入っている。パーチメントは、まだ柔らかい。


ラスーマさんの旦那さん

ラスーマさんの旦那さんが、道案内も兼ねてバイクで悪路を先導。山の中に広がる農園を案内してくれた。


開花した花、未成熟、完熟のコーヒーの実が並ぶ

開花した花、未成熟、完熟のコーヒーの実が並ぶ。


帰り際に、ラスーマさんがおもむろにキャベツを収穫

帰り際に、ラスーマさんがおもむろにキャベツを収穫。夕飯のおかずにするそうだ。
訪問したこの日は、まだまだシーズン入り始め。2軒とも収穫が行われておらず、残念ながらパルパーを使った小農家先での作業工程をここでは見ることが出来なかった。


リントン・ニフタ地区の生育状況

リントン・ニフタ地区の生育状況については、9月の時点において結実良好、安心感が広がっていたが、その後一ヶ月の降雨不足、そして直近の一週間後に襲った極端な大雨で落果が起こる。
順調な生育から一点降雨不足は豆の歪な形を生むようで、状況的には余り良くないとの事。
但しまだシーズンは始まったばかり。今後の天候次第では十分回復も見込める事を確認。


 
【リントン・ニフタ地区の集荷業者】北スマトラ州リントン地区

【リントン・ニフタ地区の集荷業者】北スマトラ州リントン地区

集荷業者の主な仕事は、各小農家から買い取ったパーチメントの状態の生豆を脱穀、乾燥し、『アサラン(Asalan)』と呼ばれる原料の状態に加工して、輸出業者の精製工場に搬送するまでとなる。
「マンデリン」の品質を決定する大切な要因のひとつとして、どのような集荷業者からどのような『アサラン』を手当てするかが非常に重要となる。今回訪問した集荷業者は、南蛮屋オリジナルの「マンデリン」をオーダーしている輸出業者「サリマクムール社」直営の集荷業者。自社スタッフを配置することで品質管理の徹底を図るなど、インドネシアではあまり例のない革命的取り組みを行うことで、「サリマクムール社」は信頼できる原料『アサラン』の確保に徹している。
南蛮屋オリジナル「リントン マンデリン」は、このような細部に渡る徹底した品質管理のもとで生産されている。


「サリマクムール社」直営の集荷業者

「サリマクムール社」直営の集荷業者。リントン地区近隣で収穫されたコーヒーが、パーチメントの状態でここに集まってくる。


倉庫の中

倉庫の中。シーズン入り始めと言う事で、集められたコーヒーはまだ少ない。


脱穀機

脱穀機。この機会でパーチメントを脱穀し、パティオ(乾燥場)で乾燥される。


乾燥工程に入るコーヒー生豆

乾燥工程に入るコーヒー生豆。しかし、スコールの気配で彼らは一気に片づけ始めた。


最終的な天日乾燥工程中のコーヒー豆『アサラン』

小農家からパーチメントの状態で集められ天日にて半日程度乾燥、パーチメントの脱穀後パティオで再び乾燥工程に入る(水分値約15〜18%まで乾燥)。
写真は、最終的な天日乾燥工程中のコーヒー豆。スクリーンサイズ、異物混入等いわゆる完全に未選別の状態。これが、原料『アサラン』。
集荷業者はこの状態まで加工し、メダン市内の「サリマクムール社」本社精製工場まで輸送する。


力には自信有り

力には自信有り。ちょっと俺にもやらせてくれと、懇願してみる。


かなりの重量

あれ、かなりの重量。かなりのへなちょこ振り・・・。


想像以上にキツイ

想像以上にキツイ。余りのへっぴり腰に、一同爆笑。


難なくこなす彼らのパワーには、脱帽

難なくこなす彼らのパワーには、脱帽。

小農家から、集荷業者へ・・・。
コーヒーチェリーの収穫から、原料『アサラン』へ・・・。

「マンデリン」というコーヒーを描き出すインドネシアの伝統的な一つの流れを、スタッフ一同全身で体感した一日となった。


スマトラ島北部に広がる、トバ湖

スマトラ島北部に広がる、トバ湖。
世界最大のカルデラ湖周辺に広がるコーヒー産地、リントン・ニフタ地区。このミネラル豊富な火山灰土壌とマイクロ気候が、世界屈指の香味を誇るコーヒー、「マンデリン」を産み出している。


 
続く・・・。

南蛮屋


 
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