炭火焙煎珈琲工房 南蛮屋

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村松 靖己

コーヒー生産管理部の村松です。
コーヒー豆の焙煎、生豆及び焙煎豆の品質管理、その他コーヒー商品全般の商品管理を担当をしております。
南蛮屋がお届けするコーヒーが皆様の生活の一部となり、ホッと幸せを感じるその瞬間の傍らにそっと居てくれていたら、こんなにも嬉しく、こんなにも贅沢な瞬間はありません。誇りと責任をもちまして、これからも皆様に幸せを提供させて頂く事を約束致します。



2023年10月01日

遥か、遥か『ホンジュラス』からの訪問。

…素敵な出逢いがありました。

2023年9月29日、
地球の裏側、遥か中米はホンジュラス共和国から訪問者が。

ホンジュラス バードフレンドリー®COMSA組合の皆様ご来店

先月より販売を開始した「ホンジュラス バードフレンドリー®」生産者である「COMSA組合」会長のロドルフォさん、コーヒー輸出業者のネリーさん、エルサさん、そしてCOMSA所属農園「クアル・ビシクレータ農園」農園主のオスカルさんが、「SCAJ2023」での来日を機に滞在先の都内より南蛮屋ガーデンへ来店してくださいました。


ホンジュラス バードフレンドリー®COMSA組合の皆様ご来店

「COMSA組合」は”コーヒーの首都“と呼ばれるラ・パス県のマルカラ・エリアに位置するコーヒー生産者組織で、小規模生産者の発展を目的に立ち上がりました。
組織の正式名称は「Café Orgánico Marcala S.A」。
「Orgánico(オーガニック)」の名の通り、有機栽培はもちろん渡り鳥の休息地となる原生林を保持した農園経営など、環境面でのサスティナビリティを重視したコーヒーの生産に注力している生産者組合です。また、教育機会や子どもたちの未来を守り、社会的責任をはたすこともCOMSAの理念に掲げています。

そんな組合の歴史をロドルフォさんから直接聞けたことは非常に大きく、こうした生産者さん達との直接的な交流は本当に刺激的であり、大変有意義な時間と力を我々にもたらせてくれました。

かつて1990年代までのホンジュラス産コーヒーの世界的評価は、非常に低いものでした。その理由は、ホンジュラス国内の流通システムです。今日のような情報社会ではなかった時代、生産者たちはいくつにも繋がっている仲買人に言われた価格で生産したコーヒーを売る以外に道はなく、またそのこと自体に疑問すら浮かばない状況だったのです。またそこに品質への評価もなく、ただただ言い値で、安値で買い叩かれていたのが現状でした。

「こんなに頑張って生産しているのに、なぜホンジュラス産コーヒーの世界での評価はこんなにも低いんだろう…」

そんな疑問がロドルフォさんを奮い立たせ、「COMSA組合」の設立に至ります。
仲買人の言いなりではなく、小農家単独では力が弱いことから生産者同士で仲間を募り、組合として結束し、風味や品質の向上、また有機農法へのシフトを武器に戦う意思を募らせたのでした。

それは順風満帆だったわけではありません。有機農法への移行をしたばかりの頃はコーヒー生産量の激減が避けられず、多くの人が気力を失い組織から脱退してしまいました。
これを受け、様々な支援を受けながらCOMSAのスタッフは土壌と水の保全、植物や野生生物の保全を促進する有機農場の革新的な手法などを学んでいきます。同時にコーヒー豆の収穫量の増加、品質の向上、そしてCOMSAのメンバー間の関係性にも改善が見られるようになりました。

また2000年以降のスペシャルティコーヒーというムーブメントも、彼らを後押ししてくれました。
コーヒーの香味の世界的基準が確立され、我々ロースターや消費者だけではなく生産者も香味評価が同じ土俵で出来る事になったこの時代の流れ。この事は、品質を大きく向上させた要因として欠かせない大きな進歩であり、生産者のステイタスを大きく向上させたと言えます。

これらの成功によって、2001年立ち上げ当初、69の小規模生産者からのスタートしたCOMSA組合は、現在1,600人の会員を擁しており、入会希望者の順番待ちリストが埋まり続けている状態です。


COMSA組合の会員である「クアル・ビシクレータ農園」農園主のオスカルさんは、組合員の中で最も評価の高い農園主。そんな彼のコーヒー生産への想いは、我々の心を大きく揺さぶるものでした。

組合に入った約20年前では有機土壌は僅か5cmだったものが、改良を重ねた今では70cmもの土壌となり、それは非常にコーヒーの香味向上に大きく繋がっているようです。
また彼が手土産だと渡してくれた「ゲイシャ種」と「パライネマ種」ナチュラルのサンプル品質は本当に素晴らしく、マイクロロットでの様々な品種、精製方法に日夜トライでしているとのこと。

また写真で見た「ゲイシャ種」のコーヒーチェリーの実の付き方はこれまでの印象とは別物と言えるほど収量が多く、驚き理由を尋ねたところ、
「土壌の水分値調整と、有機肥料の工夫でここまで収量は上げられるんだ」
と彼の自信満々な笑顔に思わず感嘆。

またココナッツのカスカラ(周りのガラ)に水分を含ませ土壌に埋めることで土における水分調整と養分の供給が加わり、コーヒーチェリーの品質向上に繋げているという彼のアイデアはまさに彼の情熱が導き出した一つの答え。そんな彼の情熱は他の組合員である生産者にも広がり、それは組合全体の品質向上に繋がっているとロドルフォさんが最高の笑顔で話されていました。

これからの未来、彼の情熱が作り上げた特別なコーヒーが、南蛮屋の店頭に並ぶことを期待します。


ホンジュラスのコーヒー品質向上に限りなく尽力を注ぎ、結果に繋げてきた「COMSA組合」会長ロドルフォさんの想いと情熱の詰まった「ホンジュラス バードフレンドリー®」
有機栽培下のもと自然環境に配慮し生産された、バードフレンドリー®認証取得のサステイナブル(持続可能)な特別のコーヒーを、皆様も是非お試しください。
きっと、彼らの想いがその一杯から感じられると信じています。


ホンジュラス バードフレンドリー®COMSA組合の皆様ご来店

南蛮屋ガーデンカフェにて提供中の、水出しにて抽出した「ホンジュラス バードフレンドリー®」をアイスにて飲んで頂いたところ、皆様大絶賛。大変有り難い評価を頂きました。

ロドルフォさん曰く、
「これまで数えきれないほどのコーヒーを飲んできたが、この一杯が一番美味い」
とのこと。
嬉しい言葉に、スタッフ共々感激の一瞬でした。
8時間を掛けゆっくりと水での抽出。コーヒーの旨味が詰まった一杯は、雑味の無い生豆のもつクリーンカップと個性的な風味特性が最大限に表現されています。
皆様、是非ともお試しを。


ホンジュラス バードフレンドリー®COMSA組合の皆様ご来店

ホンジュラス バードフレンドリー®COMSA組合の皆様ご来店



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2017年11月10日

「パナマ エスメラルダ ゲイシャ」今年も販売開始

今年も、この季節がやってきました。
年一回、まさにお祭りとも言うべきイベント…。
「パナマ エスメラルダ農園 ゲイシャ種」
オークションロットを今年も落札、販売開始となりました。

パナマ 〜エスメラルダ農園・ゲイシャ種 2017

南蛮屋が初めてこのコーヒーを皆様にお届けさせて頂いたのが2007年。
当時ほとんどのロースターが見向きもしなかったこのコーヒーも、今や世界中のバイヤーが奪い合う壮絶なオークションを経て我々のもとにやってきます。

エスメラルダ農園の世界的成功により、様々な生産国、生産地で「ゲイシャ種」が植えられ、すでに商業ベースに乗り流通しているものが数多く見ら有れるようになりました。事実、かつて訪問したとある生産国で実際に植えられている「ゲイシャ種」の苗木をこの目で見た驚きは、言葉では表現できないほどの衝撃だったことを覚えています。かつては考えられなかった様々な品種の栽培、また新しい香味を作り出すためのオリジナリティ溢れる精製方法など、各生産国における生産者達の情熱はとてつもないほど熱く、またその思いがコーヒーを新たな世界へと大きく変貌させているのです。

振り返れば、やはりこの「エスメラルダ農園」のゲイシャ種による世界的評価が、世界中の生産者達が新しい扉を開いたひとつの大きなターニングポイントだったと言えるでしょう。

コーヒーのもつ香味は、もともと持っている品種の特性とテロワール(栽培されるエリアの土壌やマイクロ気候)との相性が造り出します。今年もローストしましたが、やはりエスメラルダ農園の栽培エリア独特の土壌や気候条件と、ゲイシャ種のもつ個性とのマリアージュが産み出す強烈なまでの個性は、他の追随は許さないとの感覚をあらためて痛感しました。他の生産地で栽培されたゲイシャ種では、あの個性溢れる風味特性は真似できません。


今年は「限定650個」と、非常に数量が少なくなっております。
ロースト中にここまで心が踊らされるコーヒーは、他には存在しません。
是非、お早目にこの衝撃をお楽しみ頂けたら・・・。
>パナマ 〜エスメラルダ農園・ゲイシャ種 2017/56g袋入り

パナマ 〜エスメラルダ農園・ゲイシャ種 2017



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2017年05月31日

インドネシア産地訪問で出逢ったコーヒーをいよいよ皆様にお届け

我々がインドネシアを訪問したのが、昨年の2017年10月(産地訪問レポートはこちら)。
小農家と呼ばれる生産者達の現実、インドネシア経済発展の真実とコーヒー産業のリアル、アジア屈指のコーヒー「マンデリン」を産み出す仕組みとその現状、そして、最新鋭の栽培を手掛ける精鋭たちの情熱…。

スマトラ島に住む人々の優しさに触れながら得た経験と知識は大きく、また非常に狭い感覚だけで握りしめていたインドネシア産コーヒーの概念は見事なまでに吹き飛び、その大きな可能性と未来を直接体感出来たことは、自身にとって非常に有意義かつ大きなパワーとなって今突き進むための力の根源となっています。

あの衝撃の出逢いから半年…。
これまでのインドネシア産コーヒーの概念を吹き飛ばす最先端を突き進む「ワハナ農園」から、「ロングベリー種」と「ラスーナ種」が南蛮屋に到着、いよいよ皆様にお届け出来る準備が整いました。


ワハナ農園オリジナルのダンボールにて入荷

ワハナ農園オリジナルのダンボールにて入荷。


15kg入りバキュームパック

15kg入りバキュームパック。


生豆

生豆。見事な状態。


生豆の状態をチェック中

生豆の状態をチェック中。素晴らしい・・・。


投入後1分経過

投入後1分経過。


投入後7分経過

投入後7分経過。


投入後12分経過

投入後12分経過。1ハゼ中盤手前付近。


窯だし。

窯だし。


冷却中。

冷却中。


香り確認、状態チェック。

香り確認、状態チェック。


完璧

完璧。


30g窒素ガス充填にてパッキング。

30g窒素ガス充填にてパッキング。


完成。

完成。


生産者達の情熱を形にし、的確に皆様へとお伝え、そして“美味しい”と飲んで頂く事が、我々に課せられた使命です。
たくさんの人々の想いをこの一袋に詰めるべく、誠心誠意情熱をこめてローストしました。

インドシアで出逢った、衝撃の香味・・・。
是非、体感して下さい。


マイクロロットシリーズ 第2弾
インドネシア・ワハナ農園 ロングベリー種 ウォッシュド

30g袋入り 税込518円

 
>2016インドネシア産地訪問レポート 記事一覧



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2017年05月31日

インドネシア コーヒー豆 産地訪問 2016【2】

【ワハナ農園】北スマトラ州シディカラン地区
創業:2005年
ロケーション:北スマトラ州ダイリ県シディカラン
面積:460.125ha(うちコーヒー面積200ha)
品種:ラスーナ、S795、カツアイ、ヴィラサルチ、ロングベリー(アチェ)、アンドンサリ、P88他
精製工場:セミウォッシュ、フルウォッシュステーションの設備

インドネシア コーヒー豆 産地訪問「サリマクムール社」ワハナ農園

北スマトラ州シディカラン地区に広がる「サリマクムール社」直営農園。
トータル面積460.125ha(うちコーヒー栽培面積は200ha)という大農園は、輸出業者である「サリマクムール社」として長年抱えていた“品質の良し悪しは集荷業者次第”というインドネシア国内のコーヒー生産における従来の構造から打破すべくつくられた直営の農園である。輸出業者が栽培、収穫から精製、そして輸出するまで一貫生産する事によって、良質の原料の確保、更には細分化された品質管理の徹底が可能となる。
また新たな試みの為の実験的農場として、その地位は揺るぎないものとなっている。

*地域の気候
日中32〜3℃、夜間15℃程度。
降雨量は十分で10ヶ月間は安定した降雨がある。

「ワハナ農園」では、天候関係は専任が配置されている(担当者Andri氏)

今年は、リントン・ニフタ地区とともにシディカランもまた降雨不順。乾季の降雨不足からシーズンイン遅れ、品質低下の懸念が心配されるとのこと。
工場内も、この時点においてはフル稼働ではなく2割程度の稼働と言ったところか。


【 苗床 】

●栽培品種(試行品種含む※)
・USDA種:コーヒー・カカオ中央研究所 →エチオピア/スーダン系
・Jember種:ジャワオリジン
・アンドンサリ種:ジャワオリジン →ブルボン系
・S795種:インドで開発 大粒 →リベリカ×ケント(ティピカ系)
・ティピカ種:コロンビア 生産性が低い この地域に合わない
・ラスーナ種:リントンオリジン カップのパフォーマンスと耐病性をとってサリ社としては総合判断でもっとも優れているとして力が入っている →ティピカ×カチモール
・ロングベリー種:アチェオリジン →エチオピア/スーダン系
・トラジャ種:トラジャオリジン。トラジャオリジンの交配種。 →ティピカ系
・HDT種:Hybrid dari Timor ハイブリッド・チモール
・カツーラ:コスタリカ(以下3種はスターバックスからサンプル)
・カトゥアイ:コスタリカ コレクションとしての植樹
・P88:タケンゴンでAteng Superと呼ばれている

※ヴィラサルチ…コスタリカ
※TimTim(TimorTimur)…アチェオリジン
※ローカルでよく耳にするガルンガンは明確にスマトラティピカを指す言葉


●作業順序

① 砂地床にシーディング
種は8〜20年木から採種した完熟豆 水分値35〜40%。
パーチメントはよく水洗行いミューシレージを除去しフラット面を下にして、深さは1cm程度に植えこむ。生豆の方が発芽が早いが、ワハナでは保護を優先しパーチメントのまま発芽率50〜60日でパーチメントを抱いた芽が伸びる。
90日で双葉が大きく育ち、この時点でポットに移植。
*砂地床である理由
・土は細菌を多く含み、発芽時の弱い時に負けてしまう時がある。砂地の方がきれい。
・植え替えの時に土台が土だと抵抗が強く、根が切れてしまう。

② 3ヶ月後 双葉が出たら、ポットに移植
根の先端をカットする。根が折れた状態にならないよう少し大きくなったコーヒー樹の間にポッドを置く。

③ 7〜8ヶ月後 畑に移植
ここまでのプロセスにおいて“成り”を見ながらの間引き選別は肝要で、実例では、最初のシーディングが80,000粒 → 畑で本植えされたのは61,000本であった。大体目安で約70%程度。

コーヒーの苗床

品種ごとの区分けの中、しっかりとした管理体制において栽培されている。ワハナ農園独自の見解として、発芽の負担にならぬよう砂地に植えられているのが印象的であった。


 
【 農園 】

品種ごとに区分けされた農園のレイアウトは見事と言うしかない。広大な敷地の中、徹底された管理体制のもとコーヒーが生育していた。

日中の平均気温は32〜3℃。夜間は15℃程度に冷え込む。降雨量は十分で10ヶ月間は安定した降雨がある。
各生産区域ごとに定点観察の木を決めて厳密にデータをとっている。色別の旗でマーキング。
天候関係は専任が配置されている。(担当者Andri氏)

ここ数年の降雨量はムラがあるとのこと。この極端な降雨ムラも、生育遅延の原因と想定される。
乾季が1ヶ月程度長引き、今年は10月くらいから収穫開始。開花は一斉にあり良好。
シディカランもまた降雨不順。また乾季の降雨不足からシーズンイン遅れや品質低下が懸念されるとのこと。(2016/10/20)

農園内の水源については、雨季/乾季により、雨水、地下水を併用。また、併せて工場排水を専用タンクで不純物を沈殿させながら上澄みを再利用行う。
泥質沈殿物はそのすぐ裏の5つの池に貯められて、ショベルで移動、返されながら、醗酵させ、肥料として循環利用する。扱いを誤ると環境汚染につながる神経質な処理である。

また栽培における肥料については、工場(コーヒー、サツマイモ)で排出されるくずを集め、農園内の一角にて有機肥料を作っている。
牛を10頭飼育しており、その糞も利用する。園内の廃棄物を一旦一箇所に収穫し、液様のバクテリアをホースで散布しながらショベルで攪拌行うという人力による“旧来の方法”で行われている。

インドネシア コーヒー豆 産地訪問「サリマクムール社」ワハナ農園˙


コーヒー手摘み収穫中の女性

*手摘み収穫中の女性
雨の中、もくもくと仕事を続ける。
この収穫された実は、注目の「ロングベリー種」。


コーヒーのシェードツリー

*シェードツリー
農園開墾時専門の農業技師を呼び寄せ植えられた、セオリーに基づくシェードツリーのレイアウトは見事。
成長程度に合わせたシェードツリー(風避け、雨避け、日光避け)、また重要な開花期の雨よけとしても非常に効力がある。
テプロシア、ラムトロ、センゴンなどのマメ科植物は、コーヒーに必要な養分吸収の妨げにはならず非常に適しているとのこと。


 
【 精製工場 】

精製工場

左から工場長のフランミン氏、副社長のディアント氏、そしてこの旅で一番お世話になったマイケル氏。


≪精製ライン≫

1. 原料納入
農園内で収穫され、トラックで運ばれたコーヒーの実

原料納入原料納入
原料納入


2. 原料投入

原料投入


3. 粗選別

粗選別
粗選別
浮かせることで選別された未成熟豆。


4. パルピング
パルプは肥料として再利用している。

パルピング


5. スクリーニング


6. 発酵槽
醗酵槽投入前に比重選別
20槽 15,000L/1槽 パーチメント重量にして8〜10t
オーダーに対応する
→目安:セミウォッシュ 12〜24時間/フルウォッシュ 24〜36時間

20槽並ぶ水洗式の発酵槽

*20槽並ぶ水洗式の発酵槽。この日は残念ながら稼働していなかった。


7. ミューシレージ除去
ミューシレージ・リムーバー

ミューシレージ・リムーバー

*訪問時は、女性が隅々まで丁寧に清掃をしていた。


8. サンドライ
乾燥場(パティオ):72×216m

乾燥場(パティオ)乾燥場(パティオ)
乾燥場(パティオ)
*雨季での乾燥工程の為、ポリカーボネイト性の屋根がある。天候に左右されず天日乾燥が行えれるが、効率はやはり左右される。この日も激しい雨の一日であったが、効率よく乾燥工程が行われていた。

ハニープロセスのカトゥーラ種
*ロット、精製、エリア、品種、乾燥段階等見事に管理、整理され干されている。写真は、管理され干されていたハニープロセスのカトゥーラ種。


9. マシンドライ
ドライマシン:ドラム型×34機(内不良豆用小型機2台)
●大型:15,000L/1機(チェリー25t)×32機 →乾燥温度:35〜40℃(天日乾燥と同じ環境を創り出す)
●小型:5,000L/1機×2機 →乾燥温度:75℃(効率優先)

マシンドライ

*乾燥温度を上げれば効率は上がるが、品質は下がる。

*ボイラーからのスチームを利用した新しい方式。熱源はヤシ殻(環境面)、パーチメント滓。120℃の熱風を供給し、80℃で回収、加温して循環。

*基本的に乾燥工程とそれに連動するプロセスは、オーダー内容(精選方法)により対応、変化させている。

*非水洗式のマシンドライは昼間稼働、夜間は停止を繰り返す。この事でアロマを十分に引き出すとのこと。何度にもわたるカット&トライで設定したものという。これもベストを探るなかで「今後変化する可能性がある」。˙

*スマトラ式ではマシンドライを行わない。色が白っぽくなるなど表面の状態が非常に悪くなるからというのが彼らの見解。

*乾燥時間と乾燥温度の目安
・水洗式:1〜2日天日+7〜10日マシン 35℃
・非水洗式(ナチュラル):1〜2日天日+7〜10日マシン 45℃
・スマトラ式:2日天日+パーチ脱殻+2日天日
・パルプドナチュラル:3日テーブル+7日パティオ


10. ドライミル:脱穀機
●8機:インドネシア製10〜15t/h
●1機:PALINI & ALVES LTDA社
石取り、風力比重選別機付き しかし脱殻性能はMcKKINON社製に劣り 処理後の変色が速いため稼働はほとんどなし。
●2機:インド製 McKKINON社製
スコットランドの技術。古い農園などで見かけるブランドで業界では老舗ブランドで知られる。 水洗式、及び、非水洗式用。
豆にストレスを与えない。非水洗に対しては、チェリー脱殻が不十分なため、比重選別を行い、ドライチェリーを仕分けし再度脱殻行う。
比重選別は3種に分けられる。チェリー、グリーン、割れ豆(ナチュラルの場合、パルピングを経ないため未熟豆はここで省かれる)

*パーチメント、チェリーは風味を保つため本社より出荷指示があるまで除去しない。

ドライミル:脱穀機ドライミル:脱穀機


 
【サリマクムール社】本社精製工場:メダン市内
メダン市中心部にある、サリマクムール社の本社精製工場。各指定の生産エリアから集められた原料「アサラン」がここに集められ、最終工程を施し各国へ出荷となる。


≪生産フローチャート≫

1. 原料受け入れ

原料受け入れ原料受け入れ
原料受け入れ原料受け入れ

*各生産エリアから集められ、乾燥場にて干されていた原料「アサラン」。選別前であり、異物が多くみられる。


2. 原料品質チェック


3. 選別(紐など)
良質豆のみ→4へ

選別(紐など)


4. 石取り〜比重選別(ビューラー社:スイス)
重 中 軽
↓ ↓ ↓ (程度により3列のベルト)

石取り〜比重選別


5. ソーティングマシン(G1〜G3)
韓国ISORT社 原料の状態により調整。

ソーティングマシン(G1〜G3)


6. ハンドピック(G1)

ハンドピック(G1)

●ベルトコンベア式:24人×32列
1列の構造
20人 50kg/3min + 4人(2人...50kg 1stチェック/3min+2人....2ndチェック/3min)
作業員は一ヶ月のハンドピック実習を経てから配置される。
訪問時には、まだシーズン入口であることからベルトコンベアでの選別は稼働していなかった。

●従来の選別テーブルによる方式
上のベルトコンベアでは人力による笊(ざる)を使った比重選別がないので細かい塵の除去に不十分だという面もある。よってアサランの状態によって良質なものであれば効率面をとってベルトコンベア。品質にやや難があれば精度をとってとハンドピック自体にも二つの方法を使い分けている。

従来の選別テーブルによる方式

何分にもシーズン入口。スマトラ式で最重要なピッキング工程は、ご覧のようにまだ2割程度の稼働。


7. スクリーニング(オプション)


8. パッキング


9. サンプル抜き
20kgごとに抜き取り入念な方法で20kgの代表サンプルを準備する。



■カッピング

▼地域別
・アチェG1
・リントンG1
▼プロセス別
・ワハナ スマトラ式
・ワハナ フリーウォッシュド
・ワハナ ナチュラル
▼単一品種
・ロングベリー種 ウォッシュド
・ラスーナ種 ウォシュド
・アンドンサリ種
・P88 ウォッシュド
・ラスーナ種 ナチュラル

カッピング

工場内事務所棟にあるカッピングルームにて10種カッピング。
ディアント氏によれば、何分にもシーズン入り口。一週間前のクロップでカップが暴れているかもとの話だったが、見事なカップもあり非常に心揺さぶられるものとなった。

特に「ロングベリー」、「ラスーナ ナチュラル」、また新顔の「P88」についてはすぐに特徴のわかる非常に優れたカップの印象。

「ロングベリー」のシトリック、アールグレイに混ざり合うバタリー(濃厚なバターのような滑らかな風味と舌触り)な感覚はこの豆の持つ特別な個性、また「ラスーナ ナチュラル」のワイニー、巨峰など圧倒的な風味特性には感嘆。
中でも特に初めてカップした「P88」の風味は、まさに高地産中米系を思わせる強烈な個性。シトリックで非常にキラキラとした明るい酸、青りんご、微かにクリスプ、ミルクチョコレートなど甘い風味が見事なバランスの中で広がる完璧とも言える調和。

かつての「インドネシア産コーヒー」という今では非常識な常識を根本から覆すそれぞれの圧倒的な風味特性は、そのインドネシアの不利が揃う気候条件を情熱とアイデアで見事に吹き飛ばし育て上げた、驚きの個性と驚きのユニークさの調和である。

インドネシアの常識を覆す驚愕の香味は、この旅において最高の出逢いであった。


 
↓続きの記事はこちら
>インドネシア産地訪問で出逢ったコーヒーをいよいよ皆様にお届け


>2016インドネシア産地訪問レポート 記事一覧



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2016年11月07日

インドネシア コーヒー豆 産地訪問 2016【1】

インドネシア コーヒー豆 産地訪問 2016

2016.10.16〜10.21
インドネシア視察

アジアの誇る世界的コーヒー産地、インドネシア共和国。
「マンデリン」という素晴らしい香味をもつコーヒーの生産地として名高いこのインドネシアの生産現場を見るため、私以下2名のスタッフ同行のもと4泊6日という強行スケジュールの中、全身全霊でその息吹を感じて参りました。

目的はふたつ。
まずは南蛮屋の中で一番人気を誇る「リントン マンデリン」の生産現場と現状把握、そして来季クロップの状況確認。
もう一つが、インドネシア国内で最新鋭を突っ走る世界レベルの農園「ワハナ農園」の視察と新しい香味との出逢い・・・。

インドネシアの温かく情熱溢れる人々との出逢いや交流、そして大きな未来を感じる新たな香味との出逢いを、ここにご報告させて頂きます。


「マンデリン」の定義

インドネシア共和国スマトラ島北スマトラ州及びアチェ州(タケンゴン地区を除く)で取れるアラビカコーヒーを言う。
(全日本コーヒー公正取引協議会 規約・規則の運用方針より)


 
「マンデリン」の歴史

●1699年オランダ植民地政策によりいくつかの州にわたってアラビカ生産が導入される。

●北スマトラ州において、オランダ政府は南タパヌリ県より生産開始。

●続いて、トバ湖周辺部の北タパヌリ県リントン・ニ・フタ、ダイリ県スンブル/シディカランにプランテーションが拡大される。

●ナングル・ダルサラム・アチェ州(現アチェ州)のラウトタワール湖周辺のガヨ高原(中央アチェ県)でも同種のアラビカコーヒーの生産が開始された。

●1968年日系商社社員がそのカップに強い印象を受けるそれは、まさに第二次世界大戦中にシボルガで味わったコーヒーの風味のようである、と表現された。

●1969年“アラビカ・マンデリン※”の名がメダンのある輸出業者によって名づけられ、日本に輸出される。
(※マンデリンMandhelingの名称は地域部族バタックの一種族Mandailing名から)

●それは南タパヌリ県よりプランテーション生産が開始されたことに由来する。

●日本市場において、また世界でも最上のプレミアムコーヒーのひとつとしてプロモーションが進む。

●その後も世界のコーヒー市場において重要な位置づけとして成長を遂げる。
(AEKI北スマトラ事務所1998年発行の広報誌より)


 
インドネシアの収穫期と雨季

インドネシアの収穫期と雨季


 
スマトラ式精製方法

スマトラ式精製方法

収穫期が雨季と重なるインドネシアでは、湿度が非常に高くチェリーが腐りやすい事から「スマトラ式」と呼ばれる独特の精製方法を用いて精製される。


【リントン地区の小農家】北スマトラ州リントン地区

【リントン地区の小農家】北スマトラ州リントン地区

「マンデリン」を産み出す北スマトラ島の主な産地は、リントン・ニフタ地区とアチェ地区のふたつ。アチェ地区が主に7割を占めるが、より香味の個性が強いのがリントン・ニフタ地区。南蛮屋で販売している「リントン マンデリン」は、このリントン・ニフタ地区の小農家が栽培するコーヒーのみを指定し、輸出業者「サリマクムール社」によって精製され、弊社オリジナルの「マンデリン」となる。
小農家(庭の軒先での栽培から、1ha以上の敷地で栽培される大きな農家までそのスタイルは様々)は、収穫したコーヒーチェリーをその日のうち(湿度のよる実の腐敗を防ぐため)にパルパーと呼ばれる手動の機械で実を剥ぎとり、一夜ほど置いた後ミューシレージ(ぬめり)を洗い流す。そしてミューシレージを除去したパーチメントの状態で集荷業者へと持ち込み、換金され収入を得る。

【リントン地区の小農家】北スマトラ州リントン地区

この日は、2軒の小農家に訪問。インドネシアで暮らす小農家の人々の生活を垣間見る事が出来た事は素晴らしく、また温かな歓迎からはインドネシア人の持つ“もてなしの心”や優しさ、愛情を強く感じた。
彼らの暮らしは、決して裕福とは言えない。それでも日々明るく暮らす彼らの創り出したコーヒーを、我々は適正な価格で購入し、適正な価格で販売する。そして適正な利益を得て、それらを彼らに還元する事で全体が調和していく。それが我々に課せられた使命であり、責務であると切に思う。

訪問先生産者:Mr.Csianturi

クシアントゥリさん一家

クシアントゥリさん一家。親子三代に渡る小農家。

住居の裏手に広がるコーヒー畑。栽培面積は約0.5haと言ったところ。
親子3代に渡り野菜、コーヒーを栽培し生活している。
訪問時の10月は、雨季。この日も敷地内を歩いている時にスコールに襲われた。
しかし、すぐに止んでしまう。
今年、雨季に入るも曇りがちではあるが降雨に至らない日が続いていることから、全体的に雨量不足気味。それにより生育不良、落果、高温、異形、虫食い等、不安材料が懸念されるが、総合判断するには時期的にやや早々か。
クシアントゥリさんの木にも、その傾向が見て取れる。開花している花、青い未成熟の実、そして完熟の実、過完熟の実が一つの枝で見られるのは、だらだらと雨が降ったり降らなかったりする降雨ムラが原因で起こる現象。
ここ数週間での気候により、状況的にはやや不安的要素が起こりつつあるとの話をしてくれた。


クシアントゥリさんの家

クシアントゥリさんの家。この裏庭に、コーヒーが植えられている。


家の裏手に廻るとそこは一面コーヒー畑

家の裏手に廻ると、そこは一面コーヒー畑となる。


クシアントゥリさん

クシアントゥリさんが、今年の生育状況を語ってくれた。


コーヒーの花

花の開花、未成熟、完熟、過熟と段階を踏んだコーヒーが並んでいる。


記念撮影

別れ際に記念撮影。表情が硬い・・・。


一瞬のスコールに襲われ、雨宿り

一瞬のスコールに襲われ、雨宿り。しかしすぐに止んでしまった。
訪問先生産者:Mrs.Lasuma


キティちゃんが似合うとても笑顔がチャーミングなラスーマさん

ラスーマさん。キティちゃんが似合うとても笑顔がチャーミングな可愛らしいお母さん。しかし畑を歩く足は裸足、手も真っ黒にして頑張っていた。


コーヒーの木々の間に野菜が植えられている

コーヒーの木々の間に野菜が植えられている。

山の中に広がる、約1.5haの畑(野菜を含む)。
コーヒーの木が立ち並ぶ横に、様々な野菜も栽培している。コーヒーの収穫は年間通してではない為、生活していくうえで野菜等の栽培は必要とのこと。
シェードツリーの木も植えられていたが、バナナの木であった。
ラスーマさんの木も、生育状況は好天とは言えないらしい。クシアントゥリさんの木と同じく実のつき方には非常にバラつきがあった。
ラスーマさんによれば、コーヒーの収穫は2週間に一度。一回の収穫で10L缶が10缶。10L缶一杯でチェリー約12kgらしい。
チェリー約120kgとなれば、そこから精製され目減りを踏まえると一回の収穫で生豆1袋(60kg麻袋)と言ったところか。


完熟のコーヒーの実

完熟のコーヒーの実。


コーヒーの実を剥いでみる

コーヒーの実を剥いでみる。


コーヒーの実の中身

実の中には、二粒向き合って入っている。パーチメントは、まだ柔らかい。


ラスーマさんの旦那さん

ラスーマさんの旦那さんが、道案内も兼ねてバイクで悪路を先導。山の中に広がる農園を案内してくれた。


開花した花、未成熟、完熟のコーヒーの実が並ぶ

開花した花、未成熟、完熟のコーヒーの実が並ぶ。


帰り際に、ラスーマさんがおもむろにキャベツを収穫

帰り際に、ラスーマさんがおもむろにキャベツを収穫。夕飯のおかずにするそうだ。
訪問したこの日は、まだまだシーズン入り始め。2軒とも収穫が行われておらず、残念ながらパルパーを使った小農家先での作業工程をここでは見ることが出来なかった。


リントン・ニフタ地区の生育状況

リントン・ニフタ地区の生育状況については、9月の時点において結実良好、安心感が広がっていたが、その後一ヶ月の降雨不足、そして直近の一週間後に襲った極端な大雨で落果が起こる。
順調な生育から一点降雨不足は豆の歪な形を生むようで、状況的には余り良くないとの事。
但しまだシーズンは始まったばかり。今後の天候次第では十分回復も見込める事を確認。


 
【リントン・ニフタ地区の集荷業者】北スマトラ州リントン地区

【リントン・ニフタ地区の集荷業者】北スマトラ州リントン地区

集荷業者の主な仕事は、各小農家から買い取ったパーチメントの状態の生豆を脱穀、乾燥し、『アサラン(Asalan)』と呼ばれる原料の状態に加工して、輸出業者の精製工場に搬送するまでとなる。
「マンデリン」の品質を決定する大切な要因のひとつとして、どのような集荷業者からどのような『アサラン』を手当てするかが非常に重要となる。今回訪問した集荷業者は、南蛮屋オリジナルの「マンデリン」をオーダーしている輸出業者「サリマクムール社」直営の集荷業者。自社スタッフを配置することで品質管理の徹底を図るなど、インドネシアではあまり例のない革命的取り組みを行うことで、「サリマクムール社」は信頼できる原料『アサラン』の確保に徹している。
南蛮屋オリジナル「リントン マンデリン」は、このような細部に渡る徹底した品質管理のもとで生産されている。


「サリマクムール社」直営の集荷業者

「サリマクムール社」直営の集荷業者。リントン地区近隣で収穫されたコーヒーが、パーチメントの状態でここに集まってくる。


倉庫の中

倉庫の中。シーズン入り始めと言う事で、集められたコーヒーはまだ少ない。


脱穀機

脱穀機。この機会でパーチメントを脱穀し、パティオ(乾燥場)で乾燥される。


乾燥工程に入るコーヒー生豆

乾燥工程に入るコーヒー生豆。しかし、スコールの気配で彼らは一気に片づけ始めた。


最終的な天日乾燥工程中のコーヒー豆『アサラン』

小農家からパーチメントの状態で集められ天日にて半日程度乾燥、パーチメントの脱穀後パティオで再び乾燥工程に入る(水分値約15〜18%まで乾燥)。
写真は、最終的な天日乾燥工程中のコーヒー豆。スクリーンサイズ、異物混入等いわゆる完全に未選別の状態。これが、原料『アサラン』。
集荷業者はこの状態まで加工し、メダン市内の「サリマクムール社」本社精製工場まで輸送する。


力には自信有り

力には自信有り。ちょっと俺にもやらせてくれと、懇願してみる。


かなりの重量

あれ、かなりの重量。かなりのへなちょこ振り・・・。


想像以上にキツイ

想像以上にキツイ。余りのへっぴり腰に、一同爆笑。


難なくこなす彼らのパワーには、脱帽

難なくこなす彼らのパワーには、脱帽。

小農家から、集荷業者へ・・・。
コーヒーチェリーの収穫から、原料『アサラン』へ・・・。

「マンデリン」というコーヒーを描き出すインドネシアの伝統的な一つの流れを、スタッフ一同全身で体感した一日となった。


スマトラ島北部に広がる、トバ湖

スマトラ島北部に広がる、トバ湖。
世界最大のカルデラ湖周辺に広がるコーヒー産地、リントン・ニフタ地区。このミネラル豊富な火山灰土壌とマイクロ気候が、世界屈指の香味を誇るコーヒー、「マンデリン」を産み出している。


 
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>インドネシア コーヒー豆 産地訪問 2016【2】


>2016インドネシア産地訪問レポート 記事一覧



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