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鶴間 麗子

こんにちは鶴間麗子です。
主に本部で商品企画、開発と販促の仕事を担当しています。2016年より本格的に展示会に足を運び、南蛮屋全店で販売するPB、OEMをはじめお菓子や食品を企画、開拓しています。『南蛮屋で買えば間違いない』と、お客様に満足して喜んでいただけるような商品を常に探していきたいと思います。
もちろん、食品やコーヒー豆のPOPの作成や、ギフトカタログの企画なども引き続き担当しております。POPや、ギフトカタログの構成を少し変更しただけで売れ行きが変わってくるので、毎シーズン、毎度、毎日、発見と勉強です!頑張ります。



2009年12月15日

インドネシア現地視察レポート[2]

★インドネシアレポート・・・第3日目 10/20(火)

WAHANA農園にて、種うえ、肥料作り、コーヒーの樹の畑を実際に見学。

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昨夜の『夜中の見学』から数時間後、まだ寝たりない感はあったものの、朝早く起床。
朝食後、ちょうどゲストハウスの前が、コーヒーの苗木作りの場所で、種からコーヒーの木になるまでの説明を受けたのち農園各所に見学へ向かった。

[ WAHANA農園 ]
北スマトラ州 シディカランSidikalang地区にあり、サリマクムール社直営農場。
トータル面積約480haの広さ。
そのうちコーヒー面積は現在のところ100ha程度だが、今後の計画としては200haまで広げる予定でいる。
園内は、コンテナトラックが利用できるよう道が整備され、従業員住宅の整備、診療所、近い将来には従業員子息のための学校つくりも今後のスケジュールに入っている。
レインフォレスト認証などを受けるために森林など伐採をせずにコーヒーを育てているエリアを有していたり、エリアごとに品種の違うコーヒーを植えたりと、研究にも余念がない。
できたばかりの農園で、且つ広大な敷地を有しているので若い農園であることがかえっていろいろなことに取り組めている。
まさにインドネシアの最先端の農業がWAHANAにはあった。


> コーヒーの種植え(シーディング)〜苗木まで。
> 移植(本植え) と シェードツリー
> 肥料について
> 収穫が始まったエリアの見学 と 品種管理の徹底と研究
> WAHANAの新しい試みの一つとして〜『コピ・ルアック』
 

◆ コーヒーの種植え(シーディング)〜苗木まで。

ぬるぬるの粘着質がついたままのパーチメントを灰で洗い乾燥させて物が、コーヒーの樹の種になります。コーヒーの種にできるのは、フラットビーン(平豆)のみ。ピーベリー(丸豆)からは芽が出ません。
このことから、現地では平豆を女豆(プルプワン)、丸豆を男豆(ラキ)と呼ぶらしい。
プルプワンのみが子孫を残せるという訳です。

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左の2つがが平豆。右が丸豆。

平らな面を下に向けて、深さは約1cm程度。砂地にうえます。
そして上から藁で覆いをします。
コーヒーは熱帯の日陰に育つ植物なので、
藁をかぶせるのも日光に直接当たって乾燥するのを防ぐためです。

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↑少し芽が出ていました。


3ヶ月後 双葉が出たら、ポットに移植 ポットの重量±4kg やはり覆い(影)が必要。
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◆ 移植(本植え) と シェードツリー

ポットで成長したコーヒーの木は、7〜8ヶ月後に畑に移植。
ここまでにおいて“成り”を見ながらの間引き選別をする。強いもの80%だけが植えられる。
シーディング(種植え)が80,000粒だとしたら、畑で本植えされたのは61,000本程度になるそうです。

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間隔をあけて植えられる。
右側からコーヒーの木、シェードツリー、コーヒーの木、シェードツリー・・・というように、
交互に植えているようにみえる。
実際にはシェードツリー1本に対して、4本のコーヒーの木をWAHANAでは植えていた。
この割合が最適であるとの研究結果とのこと。


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●…コーヒーの木
○…シェードツリー


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コチラはシェードツリー。
コーヒーとは葉の形が違うのですぐわかる。


シェードツリーは、コーヒーの木に対して適度な日陰を作るために植えられる。
とくにコーヒーの花の開花時期に、風や雨などのストレスから守る効果があります。
もちろん、木なら何でも良いというわけではなく、コーヒーの木の近くに植えるのでコーヒーにとって良い影響を与える木を研究し使用している。

WAHANA農園では、2種採用。
★ラムトロ…コーヒーの木がすっかり成長した後もそのまま残し、
      木の高さがちょうど良い具合になりコーヒーの木に適度な日陰をつくる。
★テプロシーア…この木は、花を2回つけたら伐採する。

どちらも豆科の植物です。この2種を交互に植えていく。
従来までは、シェードツリーにバナナの木を植えたり、柿の木を植えたりというのが小農家ではほとんどだった。なぜなら、収穫したバナナや柿の実を販売し、収入を得ることができるためこのようにされてきた。但しこれは、コーヒーの木の生長や土壌の栄養分のことを考えるとあまり良くないことだとWAHANA農園では考え、作物の栽培には欠かせない『窒素』を土に還元する『豆科』の植物を、土の栄養分を良くするシェードツリーとして用いている。


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↑両脇に生い茂るテプロシーアのシェードツリー。
背の低い木がコーヒー。背が高いひょろっとした木がラムトロ。


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↑シェードツリーのテプロシーアのみが伐採された畑。
ラムトロとコーヒーの木のみになっている。

◆ 肥料について

肥料は有機肥料を使用していた。
この有機肥料はすべてWAHANA農園内で作られるし、作物はすべてこの有機肥料を使って生産されている。
牛や馬のフン、コーヒーチェリーを剥いたときに出る果肉、パーチメントの殻、他の作物を加工した時に出るゴミ(サツマイモの皮や豆の殻など)を混ぜ合わせて、バクテリアで酵素分解してつくっていた。


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左手の黄色いボトルが酵素。右手はフン。
奥に見えるシャベルカーで堆肥を混ぜ合わせている。
すごい広大な敷地で堆肥を作っている。


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酵素を蒔いている青年。

この肥料を作る畑で出来上がった有機肥料は、
トラックで運ばれ、人の手によってコーヒーの木一本、一本に与えられる。
その作業は主に女性たちの仕事であった。


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トラックで運ばれてきた肥料。
分解された肥料は写真のように黒い土のようになっていて、そんなにくさくは無い。
どちらかというとフルーティな香りになっていた。


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コーヒーの木の両脇に穴を掘る。


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その穴を埋めるように肥料を入れていく。


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コーヒーの木の横に穴を掘る人、トラックから堆肥を木まで運ぶ人、穴を埋める人・・・
という具合に、一列ずつすべてのコーヒーの木に肥料をやっていく途方もなく大変な作業だ。


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すでに若いコーヒーの木が植えられた大地。
1haあたり2000本のコーヒーの木が植わっている。
ここも一本一本に肥料が与えられた。

WAHANA農園では、
『作物』→『加工』→『ゴミ』→酵素分解→『肥料』→『作物』・・・
という具合に、何も無駄にしない最先端の農業をめざしていた。

◆ 収穫が始まったエリアを見学〜品種管理の徹底と研究。

WAHANA農園は新しい農園なので実際にコーヒーが収穫できるようになってからまだ1年ほどしか経っていない。エリアごとに様々な品種を品種別に植え付け育てて、収穫し、WAHANA農園の気候風土や標高に適した品種、『カップが良く、実のつきがよく効率が良い』ものを研究しつつ栽培を行っている。
また同じ品種でも精製の違いによってのカップの違いを比較している。
品種は多種にわたり、コーヒー研究所から送られてきたり、コスタリカから送られてくる品種(カツーラ・カツアイ)などもトライアルで栽培中であった。


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*トラジャ種


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*ラスーナ種


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*S-795種


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*アンドンサリー種


[注意] ここでの品種は、研究によってつけた名前など、インドネシアでしか通用しない種の名前だったりするとの事でした。

◆ WAHANAの新しい試みのひとつとして〜『コピ・ルアック』

成長したコーヒーの木々の間を歩いていたら、ふと小さいお家が・・・。
番犬の小屋かしらと思ったら、なんとあの『ルアック』の仮住まいとして建てられたとの事。
WAHANAでは今、ルアックコーヒーを生産しようと申請を出している最中でした。
ルアックを他の地域からつれてきて農園に住まわせる・・・ということなのですが、他の地域のルアックはコーヒーを食べる習慣がない為、野生に放つ前にルアックに完熟コーヒーチェリーの美味しさや食べる習慣を覚えさせるためのトレーニングが必要なのだそうです。そのためのトレーニングルームで、コーヒーチェリーを食べるのを覚えたら農園に放し飼い?という訳です。
初の試み?衝撃のプロジェクトでした。
残念ながら見学した時にはまだ許可がおりておらずルアック君はいませんでした。
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