こんにちは鶴間麗子です。
主に本部で商品企画、開発と販促の仕事を担当しています。2016年より本格的に展示会に足を運び、南蛮屋全店で販売するPB、OEMをはじめお菓子や食品を企画、開拓しています。『南蛮屋で買えば間違いない』と、お客様に満足して喜んでいただけるような商品を常に探していきたいと思います。
もちろん、食品やコーヒー豆のPOPの作成や、ギフトカタログの企画なども引き続き担当しております。POPや、ギフトカタログの構成を少し変更しただけで売れ行きが変わってくるので、毎シーズン、毎度、毎日、発見と勉強です!頑張ります。
2009年11月17日
インドネシア現地視察レポート[1]
コーヒーといえば『マンデリン』という方も多いはず。
そのマンデリンのふるさとに、現地視察に行ってまいりました。
かなりなじみの深いコーヒーだと思っておりましたが、コーヒー農園のかたがたの苦労や、精製の大変さなど、知識として考えていたより、実際見たのとでは大きくことなりました。コーヒー豆の一粒に対しての思いが変わったように思います。
つたない文章で申し訳ないですが、
少しでもインドネシアのコーヒー事情についてお伝えできれば・・・と、
以下レポートにしたためました。
少し長いですがお付き合い下さい。
★インドネシアレポート・・・第1日目 10/18(日)
初日、いよいよインドネシアへの出発。
成田→シンガポール (7時間10分)
初めて乗るエアバスの総2階建てのジャンボ。
縦に長い飛行機・・・機体の大きさに比べて羽が意外に小さい。
こんなのが空を飛ぶなんて・・・すごい。
おもわずメンバー4人で記念写真なんか撮ってしまいました。
(私のカメラには写真が無く・・・・残念。)
《トランジットのシンガポールにて》
シンガポールでトランジットの後、
さっきとは打って変わった小さめのジェット機で一路メダンへ。
シンガポール→インドネシア・メダン(1時間30分)。
あっという間のはずが、大揺れ&稲妻が光るなかのフライト・・・なかなか着陸できず・・・すごい乱気流の中をしばらく飛んでいました。本当に恐かった・・・。
《夜のメダン空港》
やっとメダンに到着したのはすでに夜。
街中は大洪水の後。スコールがちょうどやんだところでした。
メダンは、インドネシアの中でも4番目に人口が多い都市ですが、観光地ではないので、国際空港も本当に小さいものでした。
ホテルに着いたのは夜遅く。
合計10時間近いフライト。
夕飯を食べて、少しビンタンビールをいただき、この日は就寝・・・と思いきや、市場調査へメダンの街中のカフェへ。メダンの夜は更けていくのでした・・・。
(注:現地の事情に詳しい方と一緒でしたので・・・本当は夜に出歩くのは危険です。)
《コーヒーを注文。異様に濃いコーヒーが・・・底にはなんとたっぷりの砂糖が》
暑い国の人は甘いコーヒーを飲むと聞いたことがありましたが・・・この砂糖の量!
はたして暑いだけが理由であろうか・・・。
★インドネシアレポート・・・第2日目 10/19(月)
2日目、早朝。
〈コーヒー視察事前学習〉に参加。
視察参加者の顔合わせ&今回の視察の目的と要点の説明を受ける。
●インドネシア独特のコーヒー生豆の精製処理方法、
『スマトラ式(セミウォッシュ)』を理解する。
●実際の精製行程作業を見学する。
●小農家の農園での生産の現状と、
これから主流になるであろう大農園での栽培・収穫・精製・選別・出荷までをたどる。
以上のような目的のもと、
インドネシアのシッパー(コーヒー生豆輸出業者)サリ・マクムールが直接経営する農園、『WAHANAワハナ農園』に向けていよいよ出発。
メダンの市内は朝の大渋滞。原付、乗り合いのバン(どうやら路線バス)が多い。そして日本車の多いことといったら・・・。(85%が日本車)
このメダンでは、私から見ると全く交通ルールは無いかの様に見えましたが、現地ガイドのネルソンさん曰く、何かしらのルールはあるらしい・・・。とても私は運転できないなとおもいました。
《メダンの町並みをバスから撮影。車線がない?!》
メダンからバスに揺られること2時間半、ワハナ農園に行く途中、『プラスタギBRASTAGI』という野菜の町で小休憩。この町ではお米以外の作物(野菜・果物)は何でも栽培しているという町で、キャベツや人参などは日本への輸出されるものを生産していた。
《プラスタギの町並みと観光ホテル・・・メダンに比べてかなりのどかな雰囲気の町並み。
ホテル(右)では、昼食をとる。》
そしてこの町からまたバスに乗ること更に数時間、もう途中からは意識が朦朧と・・・
そんななか、小さな庭でほそぼそとコーヒーを栽培している家を何軒か道路わきにバスの窓から見かけたりしていました。(バスがすごい揺れで写真が撮れず・・・)
自家用のコーヒーを栽培しているのかな?というくらいの規模。でも、実はこの庭先のちいさい畑が彼らの生計をささえており、僅かばかりのコーヒーの豆もその収入源だと知ったのでした。
《このガタガタの道を5時間・・・》
夕方、もうそろそろスコールが・・・という頃合に、
2日目宿泊の『ワハナ農園』のゲストハウスに到着。
コーヒー農園の只中にぽつんと立っているゲストハウス。
《到着してまもなくスコールが・・・傘などまったく役に立たない激しい雨》
《オパールコーヒーのマーク》…オパールコーヒーとは、シッパーのサリ・マクムール社が焙煎した豆を販売する際のブランド。このオパールコーヒーが今、インドネシアのカフェのコーヒーの味を変えた・・・とまで言われるほど。高級ホテルなどに卸している。
ゲストハウスで、それぞれの部屋に落ち着き、そして夕食。
現地の農園で働いている女性(お手伝いさん?)の方たちがインドネシア料理をいろいろと作ってくれました。みんなで立食をしたのが夜の7時、8時頃。
そして衝撃のお知らせ。
食後の9時から精製工場での見学の予定のはずが、なんと、コーヒーの実を農家から収集してくる業者がまだ来ていないとのこと。おそらく夜遅い見学になるとの連絡が入った。
周辺の小農家が収穫したコーヒーチェリーは、各地の農協のようなところに一度集められ、そのあつめられたものを集荷業者が回収し、サリマクムールの精製工場へと持ち込む。よって、すごい道のりを1日かけて集め回って工場にやってくるわけで、いつも精製は夜20時〜23時に始まり、翌朝にかけて行うらしい。
なぜ次の日ではダメなのか・・・・コーヒーチェリーが傷んでしまうから。インドネシアは収穫期が雨期と重なるので、すぐに果肉を向いておかないと腐ってしまい、コーヒーに良くない影響をおよぼしてしまうからです。こうした必然から生まれたコーヒーチェリーの精製方法が『スマトラ式(セミウォッシュ)』なのでした。
◎コーヒーチェリーをコーヒーの生豆の状態にするには、精製の方法が主に3つ。
・フルウォッシュ(水洗)
・ナチュラル(非水洗/アンウォッシュ)
・スマトラ式(セミウォッシュ)
私自信も時々精製方法がこんがらがってしまうのですが、
下記のように解釈するとわかりやすいポイントを教えていただきました。
◎コーヒー豆をどの時点(状態)で乾燥させるか・・・で考えるとわかりやすい!
・ナチュラル(非水洗処理)・・・コーヒーチェリーのまま乾燥。
・フルウォッシュド(水洗処理)・・・パーチメントの段階で乾燥。
・スマトラ式(セミウォッシュ)・・・生豆にしてから乾燥。
というわけで、私たちはこの『スマトラ式』の工程を見学するために、待つこと数時間。
午前0時。
ついに集荷業者が到着の連絡が入る!
第2日目(3日目?)のメイン、『スマトラ式精製工程』の見学へといざ。
コーヒーチェリーが生豆の原料アサランになるまでをひと通り見学し、
10/20(火)午前2時見学終了。
工場の青年たちもお疲れ様でした。トゥリマカシ!
ずっと私たちの見学が終わるのを待っていてくれた様子でした。
マンデリンの問題点として、小農家(1ha以下)のコーヒーチェリーを集めて精製するため、品質にばらつきが出ます。
実際見学でも、集荷業者がコーヒーチェリーを精製機械に投入していた袋には、赤い実が多い袋もあれば、半分くらい青い実(未成熟)で占めているものもあり。それらは混ざって精製にかかるわけですが、このWAHANA農園の工場では大型の機械によって良いものと、そうでないものとを選別し精製していく作業が効率よく行われていました。
この品質のばらつきをなくすために、小農家ではなく、大きな農園で一定した管理のもと品質の良いコーヒーの生産を行うためにサリマクムール社が作った農園が『WAHANA農園』で、2年前に会長の平井が視察に来た時はコーヒーの木もあまり育ってなかったそうでしたが、今年からコーヒーの収穫ができるまでになったとのこと。
インドネシアのコーヒーがこれからどのように変わっていくのかが非常に楽しみでもあり、その反面、大農園栽培が主流になっていったら、あの道中で見かけた、道端でコーヒーを栽培してたお家の人たちはどうなってしまうのか・・・という思いにもかられたのでした。
さて、次はいよいよ3日目。
その『WAHANA農園』の見学です!