社長の平井誠一郎です。
1971年にコーヒー業界に入り、南蛮屋を起こして30数年、この業界では古株となりました。色々なことに流行がありますが、今のコーヒーのあり方は40年程前のコーヒー専門店時代を思い起こさせます。ただ昔と大きく変わったことは、優れた少量生産のコーヒー生豆が容易に入手できるようになったこと。そして昔から変わらないことは、より良いコーヒーを追求し続けていることです。
お客様にもスタッフにも「小さな贅沢を売る店」が より実感できますよう経験を活かして、今少し頑張ってまいります。
2009年11月09日
二年ぶりのインドネシア産地視察
南蛮屋の主要コーヒー、マンデリンの故郷へ二年ぶりに行ってきました。
今回は輸入業者の主催ツアーで、全国の熱心な同業者スタッフ17名と同行でした。
南蛮屋からは初産地入りの3名(坂井・鶴間・内倉)と私の4名の参加でした。
ローカル空港(メダン)から産地(トバ湖周辺)への陸路は中型バス2台での移動で、
1人1列(2座席)でしたので大変楽でしたが時間がかかりました。
ちなみに前回はワゴン車の高速移動(悪路100k以上)で、
心身共にかなり疲れたのを思い出します。
二年前には野生のトラや猿などが生息するジャングルを切り開き、
コーヒーの苗木もやっと根付いたばかりでした。
2年前に訪れた時の風景。
ほぼ同じ場所に建てられたゲストハウスから眺めた景色は、
2年前には想像できなかった風景です。
農園で見つけた開花時期の遅れたコーヒーの花です。
何とも言えないよい香りでした。
コーヒーの実は殆んど収穫された後でしたが、
特別な品種か、それともたまたま見逃されたのか、たわわに実ったコーヒーチェリーです。
口に入れると瑞々しい甘味がありますが美味くはないです。
今回は立ち寄ることが出来なかったトバ湖。
マンデリンのブランド名にもなっています。
『東洋のスイス』と言われるだけに、トバ湖の水はどこまでも透き通っていました。
二年前に訪れた時の写真。
今回の旅でもっとも近くから見られたトバ湖。
雨季のため雲が低くたちこめていました。
サリマクムール社(輸出業者)でのカッピング風景です。
今まで存在しなかったナチュラルマンデリン(モカマタリと同じ精選法)は、
実に興味深い個性派コーヒーでした。
この会社(サリマクムール)の社長、前回も思ったのですが、どてらい人です。
何がすごいって、インドネシアではかなり有名な会社で、大統領とも対面できる大変立派な人なのに、そぶりや服装から見ても普通のオッサン(イヤ失礼)。
この一見、普通のオッサンが、
「今度来る時には100,000,000平米(四角にしたら一辺が100km)位の農園と、景色のいいところにホテルも造るから是非また遊びに来てくださいよ」・・・
素性をよく知らない人が聞いたら(なに言ってんだ、このオッサン大ボラ吹いて)と思われるでしょうが、有言実行だからスゴイ人なんです。
有言実行は共通点として、有言のコトのスケール違いに唖然とするばかりでした。
社長:100.000.000平米の農園にリゾートホテル!
私 :1,900平米の敷地に店舗
たとえスケールは違えども【モノを造り・コトを成し遂げ・社会に貢献する】さえ同じなら、
スケールの違いは大したコトではないと自分自身に言い聞かせ、自己満足。
今回の視察も終盤を向え、帰路の最終日、シンガポールでさよならディナーが催されました。
その席で参加者を代表して(多分私が一番年長だから)一言挨拶を、と言うことで、今回の旅で感じたことや世話になった人達への感謝などを述べた次第です。
また今回の視察で個人的に強く感じたことは、
コーヒー栽培者、特にインドネシアにおいては、小農家が庭先やけっして広くない畑に苗を植え大切に育て、年に一度家族全員で収穫して仲買人に売ることで得られるわずかな代金を生活の糧にしています。
今回の旅では、この様なコーヒー栽培の底辺的小農家が見られなかったのが大変残念に感じました。特に、南蛮屋のスタッフ達には一番見せたかったことです。
前回視察時の小農家風景。
暗くなっても仲買人に売るためパルパーを廻し果肉を取りはぶく少女。
何はともあれ全員事故もなく無事に帰国しました。
今回の産地視察で各人が見たことや体験したことは、
コーヒーを商う者として貴重な経験として収穫になったことと思います。
[ おまけ余談 ]
私には事故(トラブル)がありました。
その一
ホテルで早朝入浴後ビール片手に綿棒で耳ほじり、気が付いたら綿と棒が分離!
棒は手に、綿は耳の奥深く・・・、いろいろやったが取れない。
フロントで医者の手配をしましたが、医者が来る前に楊枝で何とか取れました。
★こんな時のよい方法発見→先を折った楊枝でクルクル廻すと綿が絡みつく
その二
成田に早朝到着、飛行機から出たところのボードに赤字で、
【ヒライセイイチロウ様、通関事務所までお越し下さい】の文字!!
何かしたか?・・・何も悪いことはしてないハズ!
通関カウンターで、
私「何かしましたか?」
女性職員「大変申し訳御座いません、お荷物が飛行機に乗っていません」
な・なに〜(ほっとして立場逆転、後はご想像にまかせます)
翌日午前中には無事お詫びの手紙とトランクが届きました。