炭火焙煎珈琲工房 南蛮屋

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2016年03月20日

台湾コーヒー農園視察

台湾コーヒー農園視察

南蛮屋スタッフの産地訪問の地としては初めての『台湾』へ農園視察へ行ってまいりました。

南蛮屋から初産地入りの3名(三浦・大城・源河)と社長の平井、計4名の参加でした。
3月2日〜7日の6日間、4名それぞれが、それぞれの視点から現地を視察してまいりました。

▼それでは三浦・大城・源河による産地訪問レポートをご覧下さい。

台湾 阿里山

三月上旬の台湾は日本のゴールデンウィークごろの気温で心地よい気候です。
今回農園視察に訪れた台湾嘉義県東部に位置する阿里山は標高が高いため気温が10度くらいだと聞いていましたが、実際は天気も良く太陽が出ているので寒さは感じません。


阿里山 高山茶の茶畑

阿里山は世界的に高山茶が有名です。
ここ十数年、阿里山茶園付近にはコーヒーの木が植えられ栽培されています。
待ち合わせの新幹線の駅から車で走ること約一時間半。標高1000mを越えた頃から道端にもチラホラとコーヒーの木が見られるようになります。
この辺りだとまだお茶の栽培がメインでコーヒーの木は趣味で育ててる方が多いとか。


 
【鄒築園】

標高1,200〜1,300mにあり台湾で数々の賞をとった農園です。
農園主の方政倫さんは台湾では『咖啡王子』と呼ばれているそうです。
(日本語の珈琲とは漢字が異なります)
鄒築園に入って最初に目に入ったのが、天日干しのコーヒー豆です。
写真や映像で見ていた風景が目の前に広がっているだけでワクワクします。

鄒築園

鄒築園 天日干しのコーヒー豆


奥には乾燥させたコーヒー豆が袋に入り山積みになっています。
果肉がついたまま乾燥させたナチュラルの見た目はドライフルーツです。

乾燥させたコーヒー生豆:ナチュラルとウォッシュド


収穫された豆の粒の大きさ(スクリーンサイズ)を自動で分別する機械を発見しました!!
上から豆をいれると自動的にサイズごとに分けてくれます。

コーヒー豆のスクリーンサイズ分別機


いよいよコーヒー畑へ。
畑に行く途中ではゲイシャ種の苗木も育てていました。まだまだちっちゃな苗木でしたが、阿里山ゲイシャにとても興味が湧きます♪
今回、念願のコーヒーチェリー(赤く熟したコーヒーの実がサクランボに似ていることからこう呼ばれる)を食べる事と手摘み体験をしました。
サクランボほどの果肉感はありませんが、甘くコーヒーがフルーツだと実感!!
甘さも果肉もアッという間に口の中から無くなりました。

コーヒーの実

コーヒーチェリーの中身


お次は、手摘み体験です。
畑で働いている女性たちはとても簡単そうに実を摘んでいます。
一気にポロポロと採れるのかと思いきや…これがなかなか大変です。
真っ赤に熟した実を摘まんでひねってみる…あれ?ポロっと採れません。
少し力を入れると枝から採れました。

コーヒーの実を手摘み体験

私たちがモタモタしている間に農園主はスゴイ勢いで収穫していきます。熟練の技です!!!
収穫期にはこれが一本二本の話ではないので大変です。
『手摘みされたコーヒー豆』がこれまで以上にありがたく感じる貴重な体験をさせてもらいました。
こちらの農園はコーヒーの木が植えられている隣でお茶の木も栽培されています。
他の国のコーヒー農園視察経験者の平井社長曰く「こういう光景は他では見られない!!」そうです。

鄒築園のコーヒー畑と茶畑


 
【台湾産コーヒー豆のカッピング】

台湾産コーヒー豆のカッピング

精製方法・標高・収穫エリアの違う9種類のコーヒー豆をカッピング。
初めて台湾産コーヒーを口にします。
挽いたコーヒーをカップにいれ熱湯を注ぎ、スプーンですくって口に含みます。
そして、コーヒーのもつ透明感・甘み・酸味・触感・風味・後味を評価します。
採れる場所や精製方法でコーヒーの持つ香り・酸味・甘みの印象がこんなにも変わるのかと思うと、コーヒーの持つ無限の可能性を実感せずにいられません。
同じシトラス系の酸を表現するにしても、レモンとグレープフルーツが違うようにコーヒーにも色んな酸が隠されていました。
9種類をカッピングそれを4種類に絞り、ペーパードリップで淹れたものを味わいます。
カッピングでの印象とドリップでの印象が全く違うものがあるのは大きな発見です。
どのコーヒーも個性豊かで、台湾産コーヒーのこれからに大いなる期待を抱かずにはいられません。

台湾産コーヒー豆のカッピング


 
【走廊咖啡】

走廊咖啡

こちらの農園は一軒目と比べて、さらに山奥の小さい農園です。
山を開墾して作ったコーヒー畑は、本当に「こんなところに!!??」と驚くほど山の中です。
走廊農園で驚いたことは…

①同じ場所で育ててもコーヒーの品種が違うと収穫のタイミングが違う!!
カトゥーラ種とティピカ種が隣あって植えてあるのですが、収穫が終わったティピカ種に
対してカトゥーラ種は枝イッパイに真っ赤な実がなっています。
知識としては知っていても目の前にするとやはり驚きです!!

②開墾三年目のyayumエリア(yayumは台湾原住民の言葉で発音が難しい)は、これまたビックリするほど山奥で急斜面です。
元々は竹林だった場所とのことですが、コーヒー畑とは思えぬほど足元は大きな石がゴロゴロです。台湾は台風も多いので、山では雨水による地滑りもありコーヒーの栽培が大変そうな印象を受けます。
走廊咖啡では年間でおよそ400〜500㎏の生産量とその希少さが伺えます。


 
【七彩琉璃】

七彩琉璃

今回行った中で最もコーヒー農園らしからぬ農園です。
なんと!!キャンプ場がありその周辺にコーヒー畑が点在。
四つの区画があり実際にコーヒーを栽培しているのは三区画です。
川沿いに桜の木と交互に植えられている場所や一年目のまだとても小さな苗木が植えられている場所とさまざまです。
七彩琉璃で面白かったのが、一面に落花生の殻が敷き詰められている畑です。
5㎝ほどの厚みの殻の上はクッションのように柔らかくフカフカとした不思議な踏み心地です。
農園の方のお話では「コーヒーの苗木にとって良い状態で雑草対策にもなる」のだそうです。
より良いコーヒー豆を収穫できるように試行錯誤しているのが感じられます。

七彩琉璃


 
今回初めてコーヒー農園の視察という貴重な体験をさせていただきました。
台湾阿里山コーヒーは台風が多い地形の中で、小ロットずつ丁寧に栽培されている様子をうかがう事ができました。
とても印象的だったのは、どの農園主も嬉しそうにそして誇らしげに農園を案内してくれたことです。
とても貴重な体験をしたことで、コーヒーに対する愛情がグッと強くなりました。
阿里山の山道を運転して農園を案内してくれたサイモン・シエさん、各農園主の皆さん本当にありがとうございました。謝謝♪

南蛮屋
 
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